★ わがインフルエンザ発症:既往歴
2007年3月、インフルエンザB型の流行が目立ち、ピークは過ぎたがダラダラと診断例があった頃
15時頃、外来でデスクワークをしていた。急に、くしゃみ感があり、水様鼻汁が垂れ始めた。自身、半世紀以上のアレルギー性鼻炎があり、何気なくティッシュでぬぐい続けたが、突然、アレルゲンが飛ぶ環境でないことに気づいた。マサカと、診察机横に常備してあるインフルエンザ診断キットを出して、採取棒を水様鼻汁で濡らした。
検査キットにセットすると、A型素通り、B型バーが即時的に濃く染まり、次いでコントロールバーが染まった。
インフルエンザB型を診断:通常、この時点で医療機関を受診することはあり得ない!
この日は、急患がなく、外来看護師との接触もなかった。帰宅後、妻との接触も避けていたが、夕食時間帯になって、鼻汁の流出が止まった。他の症状は皆無!
局所免疫で治癒したインフルエンザB型!
2013年3月、インフルエンザA型の流行が目立ち、ピークは過ぎた頃
同様に15時頃、外来でデスクワークをしていた。急に、水様鼻汁が垂れ始めた。2007年のB型を思い出し、自虐的な感覚を抱きつつ、採取棒を水様鼻汁で濡らした。
検査キットにセットすると、A型バーが即時的に濃く染まり、B型は無反応で、次いでコントロールバーが染まった。
インフルエンザA型を診断:この日も、急患がなく、外来看護師との接触もなかった。約1時間後に鼻汁の流出が止まった。他の症状は皆無!
局所免疫で治癒したインフルエンザA型!
インフルエンザの病状スペクトラムについて、鳥取県立中央病院時代に、患者・家族の状況を丁寧に診ることで、ピラミッドモデルを作成した。智頭病院に異動後、多少の校正をしたが、意図的に2007年11月7日以降は修正等をしなかった。
その目的は、新型インフルエンザの流行に使えると考えたからだった。
やがて、2009年、新型インフルエンザ汎流行があった。→[新型インフルエンザA(H1N1)pdm09]
★ 新型インフルエンザA(H1N1)pdm09が地球に定着した後、それまでH1N1の主流だったAソ連型(H1N1)の流行は消滅した。きわめて重要なウイルス疫学の知見と見ている。
★ 関連:わが国で、感染力が強い新型コロナウイルス オミクロン変異 BA5 の流行が続いている間、インフルエンザの全国的な流行はない。前者の流行が持続した結果、国民が集団免疫を獲得した後は、即ち、新コロ(BA5)の流行が収束(~終息)した後は、インフルエンザの全国的流行が始まる。が、新コロは抗原変異性が目立つので、BA5 の収束までに、例えば BA2.75 や新たなオミクロン変異株の出現・流行が続く可能性がある。となれば、インフルエンザの流行は、新コロ以前の規模にはならない。